16年間「居住エリア」で人身被害ゼロの軽井沢町が…今年初の人身事故でクマ対策強化の切実
高級別荘地として知られる長野県軽井沢町内の国有林で6日午前9時ごろ、1人でキノコ狩りをしていた70代男性がクマに手を噛まれ、頭を引っかかれ、負傷した。今年になって軽井沢町でクマによる人身被害が発生したのは初めて。
現場付近にはゴルフ場があり、別荘が点在する。町は2000年からNPO法人「ピッキオ」に委託して独自に「クマ対策」に取り組んできたが、さらに対策強化に乗り出した。
軽井沢町のクマ対策の歴史は古い。全国でも先進的かつ徹底的に行ってきたという。
1990年代後半、町ではプレハブ型の集積所がクマに荒らされ、人間の食べ物の味を覚えた個体が住宅地や商業地に出没するなど、被害が拡大した。生ゴミやドッグフードなどの誘引物を管理するため、03年から「クマ対策型ゴミ箱」を町内の集積所に順次設置。ピッキオが開発したこの強化ゴミ箱はクマの手の構造では開けられないロック機能付きで、扉に爪が引っかかりにくい特殊な仕様になっている。
翌04年には、クマのにおいや気配を察知する訓練を受けた「ベアドッグ」を国内で初めて導入。毎年6~10月に夜間巡回を実施して森林への追い払いや駆除個体の見極めを続けるなど、クマの行動を監視してきた。07年には町全体を商業地・宅地の「人間活動エリア」、別荘地の「緩衝エリア」、「クマ生息エリア」の3つに分類し、地域ごとに対策方針を変えた。
「昨年も人身被害が2件発生しましたが、いずれも今回と同じ『クマ生息エリア』の国有林でした。人が山菜採りや犬の散歩でクマの生息地に立ち入ったところ、遭遇してしまった。軽井沢はクマの生息地であることを住民に知ってもらい、注意を促しています。屋外に食材を置かないよう協力をお願いし、クマの生態を知るための学習会を実施するなど、普及活動を行っています」(軽井沢町環境課野生鳥獣対策係担当者)

















