映画「葛城事件」が描き出す無差別殺人犯の発生原理と心理

公開日: 更新日:

 さらに映画版は13年の舞台版脚本を全面的に改稿。秋葉原通り魔事件の犯人・加藤智大など、その後に起きた事件と、世界中で発生した同種の乱射事件をリサーチして取り込み、さらなる普遍性を追求したという。

「赤堀監督は、この一家と父親に起きた出来事は対岸の火事ではなく、われわれと同じ地続きにあると語っています。鬼気迫る演技を見せた三浦友和も同様の認識で役づくりに挑んだそうですが、確かにどこにでもいそうな父親のほんのわずかな身勝手さや横暴さが、閉じられた社会である家族の中で際限なく増幅して悲劇を生む展開は物凄い衝撃です。いつ、どこでまたこうした大量殺人が起きてもおかしくないと納得させられたばかりだっただけに、フロリダの事件を聞いたときには背筋がぞっとしました」(映画批評家の前田有一氏)

 繰り返される無差別殺人事件。イデオロギーでひとくくりにするのではなく、その原理と心理を理解する一助になりそうだ。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  2. 2

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  3. 3

    国民民主党「選挙違反疑惑」女性議員“首切り”カウントダウン…玉木代表ようやく「厳正処分」言及

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    本命は今田美桜、小芝風花、芳根京子でも「ウラ本命」「大穴」は…“清純派女優”戦線の意外な未来予想図

  1. 6

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  2. 7

    時効だから言うが…巨人は俺への「必ず1、2位で指名する」の“確約”を反故にした

  3. 8

    石破首相続投の“切り札”か…自民森山幹事長の後任に「小泉進次郎」説が急浮上

  4. 9

    今田美桜「あんぱん」44歳遅咲き俳優の“執事系秘書”にキュン続出! “にゃーにゃーイケオジ”退場にはロスの声も…

  5. 10

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃