映画「葛城事件」が描き出す無差別殺人犯の発生原理と心理

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 フロリダ州オーランドのナイトクラブで起きた銃乱射事件は、51人が死亡する米国史上最悪の被害を出す悲劇となった。

 ISとの関わりが疑われることから犯人・オマル・マティーンによるテロ事件とする見方も出ているが、くしくも今週末18日(土)から、無差別殺人犯の発生原理を突き詰めた日本映画が公開されるため、関係者を驚かせている。

 赤堀雅秋監督自身が主宰する劇団「THE SHAMPOO HAT」の同名舞台の映画化「葛城事件」がそれ。主人公は、無差別大量殺人事件を起こして死刑囚となった青年の父親。三浦友和(64)が演じるこの父親は、これまでがむしゃらに働きマイホームまで建てた昔かたぎの亭主関白な男。妻と2人の息子にも恵まれ、理想の家族を得たと思っていたが、いったい彼はどこで何を誤ったのか。なぜ身内からモンスターが生まれてしまったのか――。あくまで父親の視点から「大量殺人犯はいかにして誕生するのか」という考察にまで踏み込む重厚な人間ドラマである。

 実はこの家族、01年に起きた大阪教育大付属池田小事件とその犯人、宅間守の一家をモデルにしたとされている。家族に起きるエピソードの数々は実話を基にしており、それが異様なリアリティーを生み出している。

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