「テラスハウス」は狂気の館 フジ保身の裏にNetflixの存在

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 恋愛リアリティー番組「テラスハウス」(フジテレビ系)に出演していた女子プロレスラーの木村花さん(享年22)が亡くなった問題で、先月15日、母親の響子さん(43)が放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送人権委員会に人権侵害を申し立てていたが、31日、フジテレビが「制作側の強要なし」との検証報告を公表した。

 同番組は、木村花さんに凶暴なイメージがつくよう意図的に演出や編集がなされ、毎日100件超の誹謗中傷コメントに死を選ぶほど悩んでいたにもかかわらず、対策を講じなかった。フジテレビは内部調査だけで「制作側の強要はなかった」と報告。さらに第三者委員会を設置しなかった理由に「適切な証言を得られなくなる可能性もある。内部調査が望ましいと考えた」と発表した。

■母・響子さん「納得できるところは1ミリもない」

 これに花さんの母・響子さんは3日、「スッキリ」(日本テレビ系)のインタビューに応じ、「納得できるところは1ミリもない……何で私に話を聞きに来てくれなかったのか」と母にヒアリングすらなかったことを明かした。響子さんと花さんのLINEのやりとりなど、花さんを含めたテラハ出演者が制作側の“空気を読んで”行動していたこともすでに週刊誌などで報道されているにもかかわらず、一方的かつ、ずさんな報告書を提出するフジの対応には保身しか感じられない。同志社女子大学教授(メディア論)の影山貴彦氏はこう言う。

「外部の有識者を入れないで検証すること自体がフジテレビの後ろめたさの証し。BPOは差し戻し、再提出を求めるべきでしょう。このような自局に都合のいい言い訳を平気で提出するほどテレビ業界は社会常識からズレているところがある。一般企業ではこんな検証など通用しないとわかっていないと気がつかないこと自体が時代遅れです」

 そこまで保身に必死な裏には、同コンテンツを放映するNetflixとの関係が大きいという。

「テレビ放映よりNetflixで収益を上げていたので、関係性を壊したくない。それより、多額の賠償金が発生するので、フジは何としても事件として残したくないんです」(テレビ関係者)

 さらに追いつめられた響子さんがテレビ出演した背景には「所属女子プロ団体のスターダムや格闘技全体のスポンサーのブシロードがフジとの関係を優先し、この事件から手を引き始めている」(女子プロ関係者)という声もある。

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