著者のコラム一覧
吉田隆記者、ジャーナリスト

1984年に写真週刊誌「FRIDAY」の創刊準備メンバーとして専属記者契約を結ぶ。87年の大韓航空機爆破事件では、犯人の金賢姫たちが隠れていたブダペストのアジトを特定、世界的に話題となる。初代「張り込み班チーフ」として、みのもんたや落合博満の不倫現場、市川染五郎(現・松本幸四郎)や石原慎太郎の隠し子、小渕恵三首相のドコモ株疑惑などジャンルを問わずスクープ記者として活躍。

<1>ドン・ファンは殺害される数日前から何度も「会いたい」と電話をかけてきた

公開日: 更新日:

■「とにかく来てもらえませんか」

 彼は、18年5月24日夜に、和歌山県田辺市の自宅寝室で変死体となって発見された。私はこの日の夕方に、彼からの電話を受けている。

「どうしても会いたいので(田辺に)来てもらえませんか?」

 この数日前から彼は、私に会いたい、会いたいと何度も電話をくれていた。

「どうせ6月1日には聖路加に来るんでしょ。その時でいいじゃないですか」

 彼は定期検診のために月に1、2度は東京・築地にある聖路加国際病院に来ている。そして次回が6月1日であることも把握していた。

「それではダメなんです。なんとかなりませんか?」

「離婚ですか?」

「……それはお会いした時に話しますから。とにかく来てもらえませんか」

 ドン・ファンが夕方4時に電話をくれるのは珍しい。というのも、深夜1時や遅くとも3時には起床する彼は、夕方6時すぎが寝る時間なのだから、4時は一般人にとっての深夜に近い感覚であろう。それなのに私に会いたいと電話を何度もかけてきたのだから、断るのも不憫に思ったのである。

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