ジャニーズ性加害構造の萌芽は70年前に…一晩で5人の少年の間を渡り歩いた“軽井沢事件”の全貌

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父の葬儀の時、「うちに泊まっていきなよ」と声をかけられ…

 ──ジャニー氏は良一氏の葬儀にも参列されたとのことですね。

「父・良一が亡くなった時、私が喪主である兄の代わりに葬儀を取り仕切っていたのですが、お通夜の時、ジャニーが『よっちゃん、明日の本葬も大変だろう。うちのペントハウスがあるから泊まっていきなよ』と言うので、いわゆる『ジャニーズの合宿所』の最上階に泊まりました。

 ぼくの妻と子供たちも一緒。トイレ、和室、プレールーム、風呂場などすべての部屋にテレビがある広大な部屋でした。妻は『こんなことしてくれるのは今度は有吉に食指を動かしてるのよ』と言って、葬儀の時も片時も有吉から目を離さなかったみたいです。有吉は12歳でしたから」

■“PTSD被害”を再生産した罪

 ──結局ジャニー氏はどんな人だったのか?

「マメで気が付くし、気くばりの人。片付けも一人でみんなの分をさっとやるし、いいオジサンであるのは確かです。でも、ステージに立つ夢を抱きながらジャニーズ事務所の門戸を叩いた少年たちの心と体を傷つけむさぼるように快楽にふけった罪は許せないです。

 これはあくまでも私見であり、飛躍しているかもしれないけど、彼は日系2世として朝鮮戦争に従軍してるし、アメリカでの日本人差別も経験している。彼もPTSDに苦しみ、それは性加害という形で発現されたのかもしれないと、一度は彼を戦争の被害者の一人として許す気になった時もあります。

 しかし、戦争によるPTSDの被害を知るようになるにつれ、彼はPTSDを再生産し、幾何級数的に増殖するシステムを構築してしまった。その現実が見えた今、彼の罪深さは計り知れないと思います。

 私自身、その時のPTSDに苦しみながら、なぜ70年間も告白できなかったのか。あらがえなかった、沈黙してしまった、それがジャニーの性被害を育み、果ては主要メディアの沈黙にまで手を貸してしまった。引き返せない歳月を取り返したい。マスコミの糾弾はもっと厳しくあってしかるべきだと思います」

▽服部吉次(はっとり・よしつぐ) 本名・服部良次。1944年生まれ。父は作曲家・服部良一。劇団黒テントの創立メンバー。「翼を燃やす天使たちの舞踏」「上海バンスキング」「阿部定の犬」ほか多数の舞台に出演。妻は女優の石井くに子。次男はハンブルク・バレエ団で東洋人初のソリストで、バンクーバー五輪の開会式に出演したバレエダンサー・服部有吉。兄は作曲家・服部克久。甥は作曲家・服部隆之。隆之の娘はバイオリニストの服部百音。

(取材・文=山田勝仁)

※葬儀の写真は本人提供です。

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