男も惚れたアラン・ドロンの魅力…引き裂かれた“日本人妻”に最期まで会いたがっていた

公開日: 更新日:

 世の男たちをして、その美貌に嫉妬させた“世紀の二枚目”アラン・ドロンが亡くなった。享年88。

 私が映画「太陽がいっぱい」(日本公開は1960年)を初めて見たのは20代初め。悲しいまでに美しい映像とニーノ・ロータの音楽、ドロンの鍛え抜かれた肉体と端正な顔立ちもさることながら、何よりも、酷薄だが憂いを秘めた目力の強さに魅せられた。

 リノ・バンチュラと組んだ青春映画の傑作「冒険者たち」、生涯の友人でライバルだったジャン=ポール・ベルモンドとの「ボルサリーノ」も好きだが、ドロンの映画を1本選ぶなら「サムライ」だ。セリフを抑えた殺し屋を演じたが、帽子をかぶりトレンチコートの襟を立て、パリの裏街を歩くだけで生きることの悲哀と孤独を表現できた俳優はドロンしかいないと思うからだ。

 日本にも熱狂的なファンが多く、ドロンもたびたび来日し、多くのCMにも出た。私も若い頃、ワイシャツは「ダーバン」。バーバリー(ドロンはアクアスキュータムらしい)のトレンチの襟を立て、夜の雑踏をあてもなくさまよったものだった。ボルサリーノも買ってはみたが、友人に「麻生太郎のようだ」といわれて捨てた。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    悠仁さま進路先めぐる情報「根拠ない」は本当か? 秋篠宮家側近の“あやふやな説明”

  2. 2

    W杯8強へ森保J「5人の重要人物」 頭痛の種は主将・遠藤航の後継者…所属先でベンチ外危機

  3. 3

    JOC山下泰裕会長の療養離脱からはや1年…三屋裕子代行でも“無問題の大問題”

  4. 4

    K-POPライブ供給過多のシワ寄せ…赤字イベント増える日本でプロモーターが稼ぎたがるワケ

  5. 5

    巨人・坂本勇人は《潔くユニホーム脱ぐべき》低迷でも“1年延命”で現役続行か

  1. 6

    紀子さま《思い悩む》58歳誕生日で苦悩告白…悠仁さま“東大合格”で待ち受けるさらなる風当たり

  2. 7

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  3. 8

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  4. 9

    エースの留年が影響か?昨夏王者・慶応まさかの県大会16強敗退…文武両道に特別扱い一切なし

  5. 10

    高市早苗が総裁選で猛追!「選挙の神様」が陣営に加勢 都知事選で石丸伸二を2位に押し上げたプランナー