男も惚れたアラン・ドロンの魅力…引き裂かれた“日本人妻”に最期まで会いたがっていた

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 世の男たちをして、その美貌に嫉妬させた“世紀の二枚目”アラン・ドロンが亡くなった。享年88。

 私が映画「太陽がいっぱい」(日本公開は1960年)を初めて見たのは20代初め。悲しいまでに美しい映像とニーノ・ロータの音楽、ドロンの鍛え抜かれた肉体と端正な顔立ちもさることながら、何よりも、酷薄だが憂いを秘めた目力の強さに魅せられた。

 リノ・バンチュラと組んだ青春映画の傑作「冒険者たち」、生涯の友人でライバルだったジャン=ポール・ベルモンドとの「ボルサリーノ」も好きだが、ドロンの映画を1本選ぶなら「サムライ」だ。セリフを抑えた殺し屋を演じたが、帽子をかぶりトレンチコートの襟を立て、パリの裏街を歩くだけで生きることの悲哀と孤独を表現できた俳優はドロンしかいないと思うからだ。

 日本にも熱狂的なファンが多く、ドロンもたびたび来日し、多くのCMにも出た。私も若い頃、ワイシャツは「ダーバン」。バーバリー(ドロンはアクアスキュータムらしい)のトレンチの襟を立て、夜の雑踏をあてもなくさまよったものだった。ボルサリーノも買ってはみたが、友人に「麻生太郎のようだ」といわれて捨てた。

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