「ナイトフラワー」極貧シングルマザーが売人に転落する血と暴力の世界

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 そんな夏希の醜態を目撃していたのが多摩恵(森田望智)だった。昼は格闘家、夜は風俗嬢として働く彼女もまた命を削りながら懸命に生きていた。夏希を自宅に送り届け彼女に子供がいることを知った多摩恵は夏希のボディガードを務め、かわりに利益の半分を渡すよう提案。こうして孤独な女2人がタッグを組み、夜の世界にどっぷりとはまり込んでいくのだった……。

 一人は男のせいで多額の借金を抱え、必死で子供を育てるシングルマザー。もう一人は風俗バイトをしながらトレーニングに打ち込む女格闘家。格闘家がシングルマザーと出会い、惨めな境遇に同情した瞬間、女2人の血まみれワーキングプア脱出劇が始まる。

 キーワードは「お金が欲しい」だ。夏希がドラッグの売人サトウの前に立ち、ポケットの小銭を取り出して「これが私の全財産。お金が欲しいんです」と挑むように懇願する場面から、観客は北川の演技に刺激され、犯罪の沼に引きずり込まれてしまう。

 夏希はトリプルワークで働きながら、子供に餃子も食べさせてやれない。だが長女の小春にはバイオリンを習わせている。極貧の中でも娘の才能を伸ばしてやりたいという母の願いがこの物語の根底にある。バイオリンというセレブな楽器と惨めな生活のコントラストが、最底辺から這い上がろうとする女の苦しみをストレートに強調した。

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