「ナイトフラワー」極貧シングルマザーが売人に転落する血と暴力の世界
全国公開中/配給:松竹
最近「シスターフッド」という言葉をよく耳にする。デジタル大辞林によると「①姉妹。また、姉妹のような間柄。②共通の目的をもった女性同士の連帯」の意味だ。本作「ナイトフラワー」は若い女2人のシスターフッドに男どもの血の暴力を絡めた意欲作。「ミッドナイトスワン」(2020年)の内田英治監督がメガホンを取った。ナイトフラワーは夜しか咲かない「月下美人」のことである。
借金取りに追われ、子供2人と逃げるように東京にやって来た夏希(北川景子)。昼はパート、夜はスナックと仕事を掛け持ちするが、明日の食事にさえ困るようなギリギリの生活が続いている。
連日のハードワークで夏希の心はボロボロ。パート先で雇用主のハラスメント発言にブチギレて暴れ、即日解雇される。生活が立ち行かなくなった夏希は、偶然遭遇したドラッグの密売現場からとっさに違法ドラッグを持ち帰ってしまう。
犯罪行為だと分かっていても、子供たちとの生活のためにおそるおそる売人の真似事をしてみる夏希。驚くほどあっさりとドラッグは売れるが、夜の街を仕切るサトウ(渋谷龍太)の一味に目をつけられボコボコに殴られてしまう。


















