熊本地震で刑務所が避難所に 全国初ケースの生活ぶりは?

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 あまり知られていないが、受刑者たちによる義援金はこれが初めてではない。阪神・淡路大震災でも多額の義援金が寄せられ、東日本大震災では発生から3カ月で全国8300人から6200万円が寄付された。換算すると1人当たり7500円。作業報酬は時給7~48円だから、1カ月分以上の報酬金だ。東日本大震災の折には宮城刑務所の受刑者たちが「1食でいい」と申し出た。

■避難者と受刑者の接触はなし

 一方、今回は刑務所周辺地域で大きな被害が出た。そこで明石雅己所長は、行刑区域とは塀で区切られた庁舎の東側にある刑務官のための道場を避難所として開放。口コミで約200人が道場を訪れた。刑務所を避難所に使ったのは全国で初めてのことだという。

 広さは420平方メートル。みんな比較的ゆったり過ごせたようだ。国家予算から捻出した「被収容者食糧費」のため、本来は囚人以外に食べさせてはならない備蓄食料も所長の判断で避難者に提供された。刑務所内には井戸があり、ガスの復旧と同時に道場内の風呂も使えた。他の避難場所で問題になっている女性のための更衣スペースも設けられている。おまけに刑務官が24時間体制で警備しているのだから安心だ。

 刑務所に避難というと心配する人もいるだろうが、避難者と受刑者が接することはないし、そもそも地震の際に受刑者たちが混乱に乗じて逃げ出したという記録もない。もちろん、刑務所が避難所として開放されるか否かは各刑務所所長の判断によるが、万が一のときには覚えておいてもいいだろう。

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