永井紗耶子さん<4>老舗企業の取材が小説のきっかけに

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 2008年のリーマン・ショックの直後に、東京・日本橋の老舗企業のトップ3人の鼎談を取材した。

「にんべんの高津克幸さん、国分グループ本社の國分晃さん、西川産業の西川八一行さん。みなさん、いずれも江戸初期から日本橋に店を構える老舗の後継者。リーマン・ショックの話題になると、國分さんは『ある役員が、うちは明治維新も関東大震災も第2次大戦も越えてきた。それに比べたらリーマンなんて……と言う』とおっしゃった。このときは『老舗ってそういうことか』と感慨深かったです。西川さんは、近江商人の『三方よし』の話をされました。商売を長続きさせるなら、売り手よし、買い手よし、世間よしの3つが揃わなければいけない。その話を聞いて、私のなかで江戸時代を書いてみたいと思うようになりました」

 実際、作家としての2作目に「福を届けよ 日本橋紙問屋商い心得」を発表。幕末を越えていく商人の話だ。

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