小俣一平
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小俣一平

1952年生まれ。武蔵野大学客員教授、元NHK社会部記者。疑獄事件からトイレ探検までフィールドは硬軟無限大。老人力同盟事務局長。 著書は、「新聞・テレビは信頼を取り戻せるか」無念は力」「ロッキード秘録「消えた警官」「『トイレ探検隊』がゆく!」など。

高齢者を敬う社会作りに綺麗事ばかりの政策はいらない

公開日: 更新日:

「汝の老人を敬え」――今年一年、私はこのことを訴え続けたいと思っている。何を今さら当たり前のことを書くのだと思われるかも知れない。老人問題は10年以上も前から深刻な社会問題として取り上げられてきたのに、と。

 こんな考えに至ったのは、最近の電車やバスの中での“惨状”に目を覆うことが多いからだ。年配者の目から見れば、すぐに2つ3つの光景を思い浮かべることができる。少年から中年まで、老人なんぞ眼中にないがごとき態度。ゲーム片手に自分の世界にのめり込んでいる若者、混雑の中、リュックサックを背負ってズンズン中に入って行くサラリーマン。昨年末、田園都市線の車内では、高齢のおばあさんが杖を持って布袋を片手に立っていたのに、「優先席」シートの若者はマンガを読みふけって席を譲ろうとしなかった。

 そもそも電車の「優先席」の表示そのものが、オタメゴカシだ。鉄道会社は本気で優先席にしようと思っているのか疑わしい。「優先席」の窓には大きく表示が出ていて、その端に外国文字の表記がある。その下は左から杖を持った老人、けが人、内部疾患者、子連れ、妊婦を表すイラストが描かれている。さらにその下には説明と思われる文字が並ぶが、老眼鏡を持っていないと、とても読めないお飾り程度の大きさだ。本気なら大きく「老人席」と表示して、優先されるべき象徴として文字を使い、あわせて弱い人たちのことを認識させるのがいい。いや、そもそも高齢者を敬う気持ちがあれば、全シートが「優先席」のはずで、年寄りが乗ってきたら、若者はスッと立ち上がって席を譲るのがフツーだろう。

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