“最後の親孝行”にだまされない 信頼できる葬儀社の選び方
「それがお父さまへのお気持ちですか」「お父さんがかわいそうでしょう」――。4月中旬。病気で夫(77)を亡くした都内の主婦(67)は、悲しみに暮れる遺族に対し、畳み掛けるような口調で葬儀のオプション契約を次々と求めてくる葬儀社の担当者に違和感を覚えた。
ネットなどでも「葬儀社の営業トークにだまされるな」という書き込みが目立つが、こうした悪徳業者は「低価格の葬儀では故人にも親族に申し訳ない」という遺族心理を巧みについてくるのが常套手段だ。日本エンディングサポート協会理事長の佐々木悦子氏がこう言う。
「葬儀社の担当者から『この価格のプランが一般的です』などと言われると、遺族はそれ以下の価格のプランは選択しづらくなってしまう。ある遺族は安価なプランを希望したところ、担当者から『それは最低ランクです』と言われたそうです。そうなると、遺族は『葬儀費用を値切っていいのだろうか』と罪悪感に似た感情が芽生えてしまいがちになる。悪質な葬儀社ばかりではありませんが、強引に契約を迫る業者には注意が必要です」
「葬儀費用一式20万円」などと低価格を前面に打ち出している業者も気を付けた方がいい。足を運んでみたら、担当者の「最後の親孝行ですから」という決めゼリフに乗せられ、あれよあれよと言う間に費用が膨れ上がっていた、なんてケースが珍しくないからだ。遺族が後悔しない「良心的な葬儀社」はどう選べばいいのか。前出の佐々木理事長はこう指摘する。