急拡大Uber Eats 配達員が語る現場の危険性と運転手の本音

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配達員が増えれば事故が増える?

 ウーバーイーツの現役配達員のNさん(28歳)は現場の危険性について経験を証言する。

「車にクラクションなどを鳴らされたり、事故寸前だったことはあります。配達員はスマホで配達先を見ながら走っている人も多いのですが、当時、スマホを自転車に固定する器具を付けずに片手にスマホを持っていたので、ブレーキをかけるのが甘くなったんです。坂道を下って十字路に突入した時に、車と衝突しそうになりました。10センチくらいで衝突するところでした。配達員が増えれば事故も増えるのでは」

 知り合いの配達員で事故が起きそうになった人などはいますか。

「今春、自転車の配達員が高速道路に入っちゃってSNSで話題になりました。その人は知人の知り合いの留学生ではないかという話になりました。とすると、日本文化に慣れていない感じの人だったから、交通法規も知らないだろうし、地図アプリで近道だと表示されれば高速道路にも入ってしまうかもしれない。僕も自動車運転免許を持っていないので、車のルールがわからない点もあります」

 10月23日、ウーバーイーツ配達員の自転車に背後から衝突され、首や腰を捻挫した大阪市の女性(66歳)がウーバージャパンに計約250万円の損害賠償を求める訴訟を起こしている。本件などについて、同社執行役員でウーバーイーツ事業責任者とされる武藤友木子氏にインタビューを申し込んだが、回答を得られなかった。課題を抱える同社の対応に注目したい。

ウーバーイーツをどう思っているのか タクシー運転手の本音

 車を運転している側はデリバリー配達員をどう見ているのか。神奈川県川崎市でタクシードライバーをしている百合田さん(仮名・48歳)に話を聞くことができた。

「日本の道路設計は自転車が走る道を特に意図していません。ロードバイク人口が増えた時にも同じことが指摘されたと思います。特に都内の道路は自転車にとって走りにくい。あと、即席配達員はその街の道、時間帯における車や歩行者の交通量の変化など知らないでしょう。また自転車はバックミラーがついてない仕様のものがほとんどですが、ミラーがあるだけでもだいぶ違うはずです。あと、夜ですが、黒いバッグには蛍光シールを貼って欲しいですね。黒い服に黒いバッグだとほんとに見えない時があります。光物、反射材、リュックサックなどは会社が貸与しないと。ウーバーイーツが浸透して冬を迎えるのは初めて。デリバリーが増える17時から20時までぐらいは、危険かも」

 タクシー運転手の間でウーバーイーツは、かなり話題になっているようだ。

「制服を着て会社の車両を使っている、ピザや寿司やハンバーガーなどの自社商品の配達員の人はマナーがいい印象です。社内で研修があるのかもしれないし、制服の効果もある気がします。ウーバー配達員でもロードバイクなどに乗っているような自転車が趣味の人で、自転車をきちんと整備している人はマナーもいい印象です。ウーバーイーツが本気で日本の宅配インフラを目指すなら、本社がもっと本気を出して欲しい。日本のマーケットに興味があるのはわかりますが、日本自体にも愛情を持っていることを感じさせて欲しいです」

 タクシー事業者がフードデリバリーをできるような法的措置も相次いでとられている。

「私の勤務しているタクシー会社だと、一回のデリバリーが大体1200円です。仕出し弁当などが2~20人分などの注文が入ったりしています。会社に弁当を入れる容器を一回、取りにいって、レストランに行ってこぼれないように入れて配達すると、結局1時間程度かかる場合もあります。歩合なのでここから半額程度しか入ってきません。そうなると人を運んでいた方が割がいいんですよ。タクシーはやっぱり人を運ぶように特化されていますので、AIやアルゴリズムで効率化されて、フードデリバリーに特化したシステムには勝てないと思います。その点では餅は餅屋になっていくでしょう」

副業フードデリ配達員のシビアな話

 新宿の飲食店で働きながら、1年前からウーバーイーツを副業にしているOさん(30歳)。普段は新宿を中心に配達する。

「西新宿、歌舞伎町、ちょっと遠いと中野辺りまで自転車で行きます。緊急事態宣言が出始めた4月から割と多めにやるようになりました。当初はママチャリでしたが、2、3時間で疲れてしまうので今は電動自転車です。一回で5、6時間は働きます。月に15万円ほど稼いでいます」

 仕事は順調にあるのか。

「ウーバーは通知をオンにしているドライバー(配達員)に依頼が送られてきますが、4、5月はコロナ禍でドライバー希望者がかなり増えたようで、自分への依頼は多くありませんでした。6、7月はドライバーが減ったのか急に依頼が増えました。現在は配達員を紹介して、実際に配達員になると2万円もらえるキャンペーンをやっていて、またドライバーが増えました。こういうイベントがあると自分が取れる配達数が変わってきます」

 どんなお店のデリバリーが多いのだろう。

「歌舞伎町の中のピックアップ(引き取り)だと、ケバブ、お寿司、うどん、焼き肉、牛丼、ドーナツ、ハンバーガーなどいろいろ。ローソンもウーバーイーツをやっているので、からあげクンとかストロングゼロなどのチューハイの配達もありました。面白いのは隣のビルに届けるなんてこともたまにあります。それくらい自分で買いにいけるのにと、心の中でツッコミを入れながら届けています(笑い)」

 他のデリバリーサービスの配達員はやったことがありますか。

「『menu(メニュー)』でも配達員をしたことがあります。ある期間内に30配達をクリアしたら、2万5000円を別途もらえるキャンペーンをやっていたからです。友人のドライバーもその期間はmenuでドライバーをしていました。ドライバーに対して拘束時間を決めてくるサービスもありますが、私は拘束がなく一番割のいいサービスで働いています」

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