おひとりさまの「お墓探し」はクヨクヨ悩まなくていい!

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 2021年度の「都立霊園」の募集が6月15日に始まった(7月2日まで)。例年、受付数を上回る応募があって抽選となる狭き門。終活という言葉こそ定着してきたが、意外な盲点がこの「お墓」だ。

  ◇  ◇  ◇

 ん~、どうしよう? 日刊ゲンダイ記者は先日、妻と目を見合わせた。田舎のお寺さんに預けたままの(記者の)母の遺骨。

「そろそろ、ちゃんとした方が……」

 妻の一言で都立霊園への応募を決めたわけだが、目を付けた「小平霊園」(東村山市)の〈芝生埋蔵施設=4平方メートル〉の使用料を見て愕然。354万円なのだ。これから子どもの大学の学費も……、それっきり妻は押し黙ってしまった。

 芝生埋蔵施設は芝生の平坦地に等間隔で配置され、区画が囲まれていないタイプ。アメリカのお墓のような、ちょっとおしゃれチックな感じのするお墓だ。

 小平霊園には一般埋蔵施設もあるが、使用料は約161万~525万円の幅がある。広さによっては芝生施設の使用料を上回ってしまう。

 自宅から距離は遠くなってしまうが、「八柱霊園」(千葉県松戸市)にも芝生埋蔵施設がある。こちらの使用料は84万4000円。これなら何とかなりそうな気もするが、昨年度の抽選倍率は「8.5倍」(24区画の募集に203件の応募)と激高。値段が安い分、ライバルも多く、今度は当たりそうな気がしない。

■60歳ぐらいにはお墓探しを

「終活という言葉も定着し、ご自身のお葬式を準備する方は増えましたが、意外と見落とされがちなのがお墓の準備です。お連れ合いがいる場合でも、慌てないためには60歳ぐらいにはお墓探しを始められたらよいかと思います」

 こう話すのは、終活&葬儀アドバイザーの市川愛氏だ。出身地に先祖代々のお墓があるからと安心していても、墓を管理する子や親族の都合で急きょ、近場で探すという人は多くいるそうだ。

 現在、募集している都立霊園は「小平」「八柱」のほか、「多磨」(府中市)、「青山」(港区)、「谷中」(台東区)、「八王子」(八王子市)、「染井」(豊島区)の7カ所。応募するには都内に継続して5年以上居住していることが条件となり、途中で他府県に転居した場合、そこからまた5年になる。横浜市や大阪市の市営墓地もやはり抽選にはなるが、都立霊園ほど高倍率にはならない。

「仮に抽選に漏れてしまった場合、一時収容施設に預けて再度応募することもできます。一時収容の期間は原則1年で、更新は4回(最長5年)までお預かりします」(東京都公園協会霊園課)

八柱霊園の直接共同埋蔵は5万4000円

 これに引き換え少し気がラクなのが、「おひとりさま」のお墓事情だ。「何を言っている!」とお叱りの言葉が来そうだが、ずっとひとり身であれば「永代供養」(お墓参りをしてくれる人がいない人を寺院や霊園が供養してくれる)で十分と考える人も多いだろう。家族のしがらみとも無縁で、自由についのすみかが選べる。

 前述の都立霊園の抽選倍率にしても、「合葬埋蔵施設」なら比較的倍率が低い。遺骨1体用の場合なら、八柱霊園の共同埋蔵(一定期間後)の昨年度倍率は0.6倍、直接共同埋蔵が同0.7倍。使用料(永代供養料)もそれぞれ13万4000円と5万4000円とリーズナブルだ。

 ちなみに、一定期間後とは使用許可後から20年は個別に保管し、その後に他の遺骨と一緒にするシステムのこと。遺骨が1体(もしくは2体まで)なら、「樹林型合葬」「樹木型合葬」という選択肢もある。さらに、小平・八柱霊園の合葬施設と、多磨霊園の樹林型施設は「生前申し込み」も受け付けている。

「合葬墓といえば、かつては『無縁仏』といった印象もございましたが、これだけ世の中におひとりさまが増えれば、抵抗は少なくなります。最近は民間霊園でもタワータイプ(機械式)の堂内陵墓が人気を集めています。お子さまがおらず、いずれは永代供養というご夫婦の方にとっても、駅から近いなどといったメリットがございます」(前出の市川氏) 

おひとりさまは心配する必要なし

 市川氏が話すように、今や「おひとりさま」は日本において多数派になりつつあるのだ。

 生涯未婚率は2020年時点で男性26%、女性17%。いわゆる結婚適齢期といわれる男性30~34歳の未婚比率は51%、女性25~29歳が62%であり、この先も生涯未婚率が下がる要素は少ない。

 また、独身には「離別」「死別」の形もあり、最終的にはどんな人でもいつかはひとり身になる。2040年には独身者の割合が47%に達するとの予測もあり、人口のほぼ半分が「おひとりさま」。65歳未満の有配偶率は31%で、こうなると結婚している人の方がマイノリティーで肩身が狭い。「遺骨の引き取り手がなくてかわいそう」「お参りしてくれる人がいなくて気の毒」とも言われなくなるだろう。

 終活サービスを提供する鎌倉新書の「お墓の消費者全国実態調査」(2021年)によると、実際にお墓を購入した人でシェアトップは「樹木葬」(自然葬・樹林墓地含む)の46.5%。「一般墓」が26.9%、「納骨堂」が19.4%だった。背景にはおひとりさまの存在もある。

 嫁姑やきょうだい間の問題もあり、死んだときぐらいは1人でいたいもの。ことお墓に関しては、おひとりさまは何も心配する必要はない。 

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