年金暮らしでも週1回の外食を 我慢は脳にも体にもよくない
コロナ禍が明けて、旅行や外食などレジャーへの支出が回復しているといいます。このコラムを読んでくださっている皆さんは、いかがでしょうか。結論からいうと、高齢者の皆さんも、積極的におカネを使ってほしいと思います。
もちろん、老後2000万円問題や将来の介護不安など、老後には、いろいろな問題が横たわっているのも事実です。それらの不安はわかりますが、実際は要介護状態になれば費用は大してかかりません。我慢するのは、脳にも体にもよくありません。
たとえば、孫にプレゼントしよう。お祝いに孫と一緒に出掛けよう。あるいは、夫婦水入らず、たまには旅行でも……。有意義におカネを使うことは、とてもワクワクして脳への刺激をたくさんもたらすのです。
脳の中の前頭葉は、思考や感情、行動をつかさどる部位で、脳の中で老化が最初に始まる部位でもあります。おカネの使い方を前向きに考えるだけで、前頭葉が活発に働くのですから、老化予防にはもってこいです。逆におカネを使わず、欲しいものを我慢することは、脳への刺激を自ら放棄することと同じといってもいいでしょう。そんな自粛生活を続けていると、認知機能や運動機能の低下を招き、結果として意欲が低下する悪循環に陥ります。