和田秀樹
著者のコラム一覧
和田秀樹精神科医

1960年6月、大阪府出身。85年に東京大学医学部を卒業。精神科医。東大病院精神神経科助手、米カール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て、現在、和田秀樹こころと体のクリニック院長。著書多数。「80歳の壁」(幻冬舎、税込み990円)は現在、50万部のベストセラーに。最新刊「70歳の正解」(同)も好評発売中。

平均寿命トップの川崎市麻生区の高齢者は習慣に「散歩、漢字、カラオケ」の効果

公開日: 更新日:

 厚労省が2020年の平均寿命を自治体別に調べたところ、トップは男女とも川崎市麻生区だったことが話題を呼んでいます。女性は89.2歳、男性84.0歳。最下位は男女とも大阪市西成区で、トップとの差は女性4.3歳、男性10.8歳と男性は大きな開きがあります。

 なぜ川崎市麻生区が男女ともに長寿日本一なのでしょうか。その理由を医学的に解き明かすには、長期に及ぶ調査を詳細に行う必要がありますが、その後に報じられた解説記事の中にも、高齢者を専門とする精神科医の私からみて、納得できる部分があります。

 たとえば、川崎市麻生区の皆さんは、よく歩くそうです。22年度の川崎市高齢者実態調査によると、麻生区で介護や支援を必要としない一般の高齢者のうち88.2%は、15分程度の歩行を「できるし、している」と回答。また、イスから何もつかまらずに立ち上がれる一般高齢者の割合は82.4%。それぞれ川崎市の中で1位と2位です。

 この連載でも何度か触れているように、高齢者のボケ防止には30分程度の散歩が最適。南北に延びる川崎市の中で、麻生区は最も北部に位置していて、坂が多く、坂の端に階段が設けられています。坂や階段の上り下りで、知らず知らずのうちに足腰が鍛えられ、イスからの立ち上がり率の高さにつながっている可能性はあるでしょう。

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