高額医療費見直し「現役世代の負担軽減」は政府の詭弁…恩恵どころか、弱者に負担を付け回し

公開日: 更新日:

 弱者切り捨て以外の何物でもない。福岡厚労相と加藤財務相の大臣折衝で決められた「高額療養費制度」の見直しのことだ。政府は今年8月から、月あたりの負担上限額を引き上げる。「現役世代の負担軽減につながる」と見直しの意義を強調するが、制度利用者の実態すら把握していない。

 高額療養費制度は、医療機関や薬局での窓口負担が一定額を超えた場合に、払い戻しを受けられる仕組み。患者の過度な支払いを防ぐセーフティーネットだが、政府は臆面もなく手を突っ込んだ。今年8月から3段階で上限額を引き上げ、2027年8月に平均所得層(年収約370万~約770万円)は最大5万8500円の負担増を余儀なくされる。

■被保険者1人あたり、わずか月92~417円の軽減

 政府は引き上げの理由について「現役世代の負担軽減」を金科玉条のごとく掲げるが、恩恵は微々たるもの。厚労省の試算によれば、見直しによって保険料は年3700億円が軽減されるという。ざっくり被保険者1人あたり月92~417円の軽減に過ぎない。全国保険医団体連合会(保団連)事務局次長の本並省吾氏が言う。

■関連キーワード

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    【原田真二と秋元康】が10歳上の沢田研二に提供した『ノンポリシー』のこと

  3. 3

    カーリング女子フォルティウスのミラノ五輪表彰台は23歳リザーブ小林未奈の「夜活」次第

  4. 4

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  5. 5

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  1. 6

    福山雅治&稲葉浩志の“新ラブソング”がクリスマス定番曲に殴り込み! 名曲「クリスマス・イブ」などに迫るか

  2. 7

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 8

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  4. 9

    年末年始はウッチャンナンチャンのかつての人気番組が放送…“復活特番”はどんなタイミングで決まるの?

  5. 10

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった