本の森ちゅうおう 中央区京橋図書館(東京都)戦災を逃れた地域資料満載の「学びと憩いの森」
本所吉良邸の討ち入りに参加した赤穂義士の剣の達人、「堀部安兵衛武庸之碑」がある中央区八丁堀。その地に、2022年12月4日に開館したのが「本の森ちゅうおう」。大きなガラス張りの窓と凹凸のある洒落た建物は、2023年にグッドデザイン賞を受賞した。
京橋図書館は本の森ちゅうおうの2~5階部分。郷土資料館、多目的ホール、カフェも備えた複合施設のコンセプトは2つ。
「子どもから大人まで誰もが親しみをもって利用でき、歴史・文化を未来へ伝える地域の生涯学習拠点」「森のようなやすらぎの中で、人々が出会い、交流する場」
右手にカフェを見ながら中に入ると、それが実感できる。昼時のエントランスホールはランチを取るOLやサラリーマンの姿が。蓋付きの飲み物なら館内に持ち込み可能。緑あふれる2階の「つどいの森」や5階のラウンジでも飲食できる。「つどいの森」の奥には散策できるスペースもある。
「蔵書は38万5000冊。雑誌やCDを含めると42万点になりますが、京橋図書館の一番の特徴は2階の地域資料室です。ここには中央区と東京の歴史と文化に関する資料を6万8000冊所蔵しています。特に京橋図書館は太平洋戦争の戦禍を免れたことから戦前の資料を2万6000冊所蔵している、東京23区では稀有な図書館となっています。図書ばかりでなく、地図、錦絵、写真、絵はがきなど多岐にわたって所蔵しています。これらの貴重な資料は、24時間温湿度を管理している貴重書庫で管理・保管しています」(京橋図書館広報担当の奥村明久さん)
2階の「こどもコーナー」は赤ちゃんから小学生までの、子ども向けの本が充実しており、靴を脱いで入るエリアや授乳ができる個室もあり、子どもたちが「SDGs」の理解を深めるコーナーも設置されている。
3階にあるティーンズを対象にしたグループ学習室も賑わっている。