神か? タクシーが来ず大ピンチ→おばちゃん登場! 25歳の女性が海外で救われた話

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コクハク

海外ならでは「ストライキでバスは来ないよ」

 日本とは違った体験や景色が味わえる、それが海外旅行の魅力。しかし、その“違い”が思わぬトラブルを呼ぶこともあるんです。そんな「海外旅行のトラブル」を体験したリアルなエピソードをご紹介します。今回はタクシーにまつわるお話し。

 モモカさん(仮名/25歳)は数年前、同じ学校の友達と一緒に音楽コンクールに参加するため、イタリアの田舎を訪れました。

 小さなトラブルは初日からあったそう。列車に揺られたあと、駅から少し離れた宿に向かおうとするも、乗る予定だったバスが一向に来なかったのです。

 バス停が間違っているのかと駅の周りを歩き回ったそうですがバスの姿はまったくなく、観念して周りの人に尋ねると「今日はストライキでバスは来ないよ」とのこと。

 海外ではストライキや突然の運休が珍しくありません。とはいえ異国の地で急なストライキは困ってしまいますよね。モモカさんたちは仕方なくタクシーに乗って宿へ向かったそうです。

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タクシーが来ない!

 本当のトラブルが起きたのは、コンクールの初日と2日目。初日、モモカさんたちは本番前にコンクール会場を見ようと早めに宿を出て、電話でタクシーを呼びます。

 英語で住所を伝えたモモカさんが「10分くらいで来ますか?」と聞いても、電話先のおじさんは終始「Sì, sì!(日本語で「はい」)」の一点張り。

 電話先に気になる様子がなかったため、伝わったと思いモモカさんはそのまま電話を切ったそうです。

 しかし、いくら待ってもタクシーは現れません。改めて何度か連絡をしてみたそうですが、電話も繋がりません。せっかく時間にかなり余裕を持ってタクシーを呼んだのに、結局30分待ったあとに少し離れたバス停まで走り、なんとか間に合ったそう。

 さらに2日後、今度は別の場所からタクシーを呼んだモモカさん。初日のことで不安もありつつ、不便な場所だったためやむを得ず電話したそう。電話に出たのは女性だったそうですが、電話先での返答は今回も「Sì, sì!」だけ。

 そしてやはり、タクシーは来なかったそう。

親切なおばちゃん登場

 時間に余裕があった初日と違い、コンクール本番が迫っていてモモカさんは友達と2人でパニックに。友達と2人、日本語で「タクシーが来ない!」と慌てふためいていたところ、近くにいたおばさんがイタリア語で話しかけてきたそう。

 何を言っているのかさっぱりわからなかったそうですが、幸いイタリア語でもタクシーは「タクシー」。

 どうやらモモカさんたちが「タクシー!」と連呼しているのを見て、タクシーを待っていることに気づいてくれたよう。恐らく「タクシー呼びたいの?」と言った風に話しかけてくれて、モモカさんたちのためにタクシーを呼んでくれたのでした。

 その後すぐにタクシーが来て、モモカさんたちは無事コンクール本番に間に合いました。間一髪の展開に、2人ともほっと胸をなでおろしたそうです。

 イタリアはいい意味でも悪い意味でもテキトーな面があるとは聞きますが、英語がわからないなら「Sì」以外の言葉を言ってほしかった、とモモカさんは振り返ります。

 しかしトラブルはあとあと笑って話せるから、ある意味いい思い出になったと語るモモカさん。そして、親切なおばさんに助けられたことも忘れられないステキな思い出になったそう。

  ◇  ◇  ◇

「トラブルに見舞われたけど、人の温かさに触れた」と話してくれたモモカさん。ちょっとしたハプニングも思い出に変わるのが旅行のいいところ。次回、おばさんに会うことができたら素敵ですね。

(ヤマコシショウコ/音楽家、ライター)

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