早場米シーズン到来、例年にない高値…では今年のコメ相場はどうなる?
気候が温暖な産地で栽培され、秋の新米シーズンに先駆けて7月下旬から収穫されているのが早場米だ。スーパーのコメ価格(7月20日までの1週間)は、備蓄米放出によって5キロ3585円と9週連続で値下がりしているが、早場米は例年にない高値で取引されているという。
「在庫が枯渇した状態で入荷するので早場米は多少値が張りやすいのですが、今年はコメ不足の影響で概算金が例年より高くなった影響が色濃く出ています。鹿児島や宮崎のコシヒカリの店頭価格は一昨年が2000円を切り昨年が3000円台だったのが、今年は4000円超で値づけされています」(米流通評論家・常本泰志氏)
降雨量が少ない影響で、今年は水不足や日照りによる生育状況への懸念があるが……。
「特に北日本の日本海側では当初、生育状況が芳しくありませんでしたが、6月以降、日照が回復したことで生育が早まり、新潟の早生品種の『こしいぶき』や『つきあかり』は例年より10日ほど収穫が早く、三重や滋賀などでも4、5日ほど早まる見通しです。出穂する前に水不足になった影響で不作の懸念もありますが、一大産地の北海道では高温の割に朝晩の温度が下がっていることから豊作が見込めるといいます。また新潟県などで水不足が報じられていますが、エリアは限られており、収穫量の減少幅は多く見積もっても前年比5%減といったところではないでしょうか」(常本泰志氏)