(1)発酵性食物繊維はわずか3グラムで「腸活」になる
腸内細菌叢が整っておなかの調子がよくなると疲労感が解消したり肌の調子が良くなったりするなど、健康上のメリットを実感する人は多い。
近年の多くの研究でも、善玉菌を摂取したり、善玉菌のエサとなる食物繊維を十分に摂取したりすることによって心疾患、糖尿病、大腸がんのリスク、そして総死亡率の減少など、多くの健康上のメリットがあることが報告されている。
しかし、腸活をする上で大変なのは、毎日、十分な量の食物繊維を取ることだろう。厚生労働省の2025年版「日本人の食事摂取基準」によると、食物繊維の1日あたりの摂取目標は、成人男性で21グラム以上、成人女性で18グラム以上。WHO(世界保健機関)は、成人男女ともに25グラム以上の食物繊維を、400グラム以上の野菜と果実、および他の天然に存在する食物から摂取すべきとしている。
しかし「400グラム以上の野菜と果実」だけでも、市販の千切りキャベツでクリアしようとすると、1袋150グラムの千切りを、毎日3袋弱、食べなければならない。
1人暮らしはもちろん、自炊をしている家庭でも、これほどの食物繊維の摂取量を毎日クリアするのはなかなか大変だ。研究によっては、日本人は1日平均5グラムの食物繊維が不足しているともされる。