「怪異伝説の民俗学」藤沢衛彦著

公開日: 更新日:

「怪異伝説の民俗学」藤沢衛彦著

 大坂城代を命じられた酒井讃岐守は御城受取で大坂城に入り、秀頼の最期を思って涙ぐんだ。そのとき、麗しい声に呼び止められて立ち止まると、御簾の中から美しい女が現れて、秀頼の母、淀と名乗った。

 その女は、城内の青屋御加番小屋前の松の木の下に秀頼の産毛を入れた壺を埋めたが、その場所が大勢の者に踏み散らされ、汚されているのが耐えられないので、清浄な地に移してほしいと頼む。その地を掘ると壺があったので、中を改めないまま壺を清浄な地に埋め、ほこらを建てて、淀の霊を鎮めた。(「鬼(気)・幽鬼・幽霊・化物」)

 ほかに、人と動物との妖婚伝説など、世界各地の怪異譚を分類して論考を加えた名著の復刊。 (河出書房新社 3520円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が楽天・辰己涼介の国内FA争奪戦に参戦へ…年齢、実績的にもお買い得

  2. 2

    号泣の渋野日向子に「スイングより、歩き方から見直せ!」スポーツサイエンスの第一人者が指摘

  3. 3

    囁かれていた「Aぇ!group」は「ヤベぇ!group」の悪評判…草間リチャード敬太が公然わいせつ容疑で逮捕の衝撃

  4. 4

    西武・今井達也「今オフは何が何でもメジャーへ」…シーズン中からダダ洩れていた本音

  5. 5

    ソフトB風間球打にはイップス疑惑…昨季のプロ野球“女性スキャンダル三羽ガラス”の現在地

  1. 6

    高市総裁は就任早々から人事で大混乱…女性応援団たちに“麻市内閣”ポストの目はあるのか?

  2. 7

    一発退場のAぇ!group福本大晴コンプラ違反に「複数人関与」疑惑報道…旧ジャニ“インテリ”枠に敬遠の風向き

  3. 8

    今オフ日本史上最多5人がメジャー挑戦!阪神才木は“藤川監督が後押し”、西武Wエースにヤクルト村上、巨人岡本まで

  4. 9

    崖っぷち渋野日向子に「日本人キャディーと縁を切れ」の声…外国人起用にこれだけのメリット

  5. 10

    くも膜下出血で早逝「ブラックモンブラン」41歳副社長の夫が遺してくれたもの…妻で竹下製菓社長が告白