「孫」を世話することが認知症予防になる? 米国医師会誌に研究報告
中国では、日本と比べて、親子の親密性が高いといわれています。家族間の助け合いが強く意識される傾向にあり、祖父母が孫を世話する機会も少なくありません。
祖父母が孫を世話することは、世代間の交流を増やすことで孤独感を和らげ、社会的な役割を育み、感情的な幸福度を高める可能性もあります。その意味では、孫を世話している高齢者では認知症になりにくいといえるかもしれません。そんな中、孫を世話する高齢者と認知症の発症リスクの関連性を検討した研究論文が、米国医師会が発行しているオープンアクセスジャーナルに2025年7月9日付で掲載されました。
中国で行われたこの研究では、50~79歳の高齢者1万58人が対象となりました。研究参加者に対して、過去1年間における孫の世話に関する調査を行い、「世話をしない」「ある程度の世話をしている(週に1~39時間)」「週に40時間以上、世話をしている」「孫がいない」の4グループに分類しました。さらに、年齢や性別、民族的背景、居住地などの因子で統計的に補正を行い、孫の世話と認知症の関連性が分析されました。