米価高騰「流通悪玉論」は真っ赤なウソだった! コメ不足を招いた農水省“見込み違い”の大罪
コメが高いのは、流通業者が投機目的で抱え込んでいるせい──。あの「悪玉論」は何だったのか。農水省は米価高騰の理由を解明しようと今年3月に続き、流通調査を実施。先日、調査結果をまとめたが、いわゆる「目詰まり」の明確な証拠は確認されず、改めて悪玉論が否定された。
流通悪玉論のきっかけは「消えた21万トン」。2024年産米の生産量は前年より増えたのに、コメの集荷量が21万トン減ったことだ。農水省は「投機的な売り惜しみ」とみて高騰の要因と指摘。3月に流通の実態調査に踏み切ったが、投機目的の在庫は一切なく、一度は悪玉論を撤回した。
しかし5月下旬に小泉農相が就任すると、再びコメの流通実態を「不透明」「ブラックボックス」と問題視。調査対象をコメの販売などを担う7万事業者に拡大し、新たに流通状況を報告するよう求めた。その結果はまたもや「シロ」。農家、集荷業者、コメ卸、小売り、中食・外食業者の6月末時点の在庫量は、すべて前年並み。どこにもコメはため込まれていなかったのである。