東京の病院「66%が水没」の衝撃! 首都を襲う高潮で医療崩壊も…防災のプロが訴える「災害前にできること」
医療機関が機能を失えば治療や診療を継続できず
もう一点は医療についてだという。たとえば、東京23区の低平地では、大規模な高潮が発生した場合、多くの医療機関が浸水するおそれがある。
「東京、埼玉では、病院394カ所、診療所8260カ所が影響を受け、病院の66%、診療所の56%が水没する可能性があります。都内だけで見ても、病院の59%、診療所の49%が水没するとされています。問題は、建物が浸水することだけではありません。医療機関が機能を失えば、治療や診療を継続できなくなるということです」
そこで重要になるのが、災害時にも診療を続けるための事業継続計画「病院BCP」だ。
「洪水そのものを止めることはできません。しかし、『この地域は浸水する可能性がある』と分かっているのであれば、その前提に立って医療機関をつくることはできます。実際、令和元年8月の佐賀豪雨では、周辺が浸水して孤立状態になりながらも、医療機能を維持した病院がありました。この地域が水害に遭う可能性を事前に把握し、病院を建設する際に約2メートルの盛り土をしていたからです」
災害が起きてから対応するのではなく、ハザードマップなどからリスクを把握し、建設段階から備えておくことが重要なのだという。
「都内でも、新しい病院を建設する際に約2メートルの盛り土をした例があります。医療機関についても、最初から『被災しても医療を止めない』という発想で整備していく必要があります。こうした病院BCPを個々の医療機関任せにせず、国全体の防災政策として進めていくことが、防災庁に求められる役割の一つだと思います」
災害が起こる前にやれることも多いのだ。
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