(1)高騰から暴落へ…もはや持続可能な米作ではない
いま、コメの生産・流通現場では異変が起きている。米価急落で大幅な収入減を懸念する農家、急激な相場の変動に疲弊する流通業者。このままでは、コメ業界が崩壊する--。京都府舞鶴市の創業90年の老舗米屋「まつもと米穀」社長の松本泰氏が警鐘を鳴らす。
◇ ◇ ◇
近畿地方に梅雨明けが発表された7月上旬、上がり続ける平均気温に反比例するように、コメの店頭小売価格は急落していた。
当店がシャッターを閉めた昨年春ごろ、どの店も売り場の花形はコメだった。それまでの常識では考えられないほど高騰したコメに、それでも顧客は群がった--。
あの光景が遠い昔のように感じるいま、スーパー店内にうずたかく積まれたコメには「特売」の赤文字が躍る。往時の半値ほどに下がったコメの前を顧客たちが素通りする中、私の心には不安が育っていた。
米価は下がった。しかし、一件落着では決してない。日本のコメ作りは、どこへ向かうのか。次なるコメ騒動へのカウントダウンは、もう始まっている。

















