米ニューメキシコ州の「19歳チアリーダー出産遺棄事件」が意外な展開に
2023年1月27日、米ニューメキシコ州のアルテシア総合病院で、当時19歳だった高校生チアリーダー、アレクシー・トレビゾ被告(21=写真はアルテシア市警の公式サイトから)がトイレで出産し、新生児をゴミ箱に捨てたとして第1級殺人罪と証拠隠滅罪で起訴された。しかしこの裁判はその後、意外な展開を見せている。
事件当日、トレビゾは背中の痛みを訴えて来院したが、本人は妊娠を否定。病院の検査で妊娠が判明したにもかかわらず、その事実が伝えられず、モルヒネなどの薬剤が投与された。
トレビゾは緊急治療室のトイレで男児を出産後、ゴミ袋に入れてゴミ箱に捨て、赤ちゃんは窒息死したと検視で判明。トレビゾは「妊娠を知らなかった」「病院の監視不足」「モルヒネなどによる正常な判断能力の欠如」を根拠に無罪を主張し、裁判は証拠の使用を巡る問題なども加わって延期中だ。
一方、弁護側は23年7月、新生児の法的権利に基づいて病院を相手に不当死亡訴訟を提起。病院の不適切な薬剤投与や監視不足が死因と主張するが、病院側は責任を否定。当初24年に予定された民事裁判は、刑事裁判の遅れで未定のままだ。
この事件は、トレビゾへの厳罰を求める声や、病院の対応を批判する意見が交錯しSNSで賛否両論を巻き起こしている。