杉村富生
著者のコラム一覧
杉村富生経済評論家

1949年熊本県生まれ。明治大学法学部卒業。軽妙な語り口と、分かりやすい経済・株価分析などに定評がある。ラジオNIKKEI「ザ・マネー」にレギュラー出演。著書は「これから10年 株で『1億』つくる!」(すばる舎)、「株長者が絶対にハズさない『売り』『買い』サインはこれだ!」(ビジネス社)など多数。

「秋の日はつるべ落とし」の株式市場…NYダウの3万ドル割れも?

公開日: 更新日:

 まさに、「秋の日はつるべ落とし」といった状況ではないか。

 NYダウは1月5日に3万6952ドルの史上最高値をつけたあと、6月17日には2万9653ドルの安値まで売り込まれている。それが2カ月後の8月16日には3万4281ドルの戻り高値をつけた。上昇幅は4628ドル、上昇率は15.6%となる。

 何があったのか。ファンダメンタルズが改善したのか。いや、そうではない。マーケットは「FRBの利上げペースが緩やかになり、来年には利下げ」と勝手に思い込んだのだ。この判断は完全に誤りである。

 パウエルFRB議長はインフレ抑制に向け、「無条件の物価安定(景気、雇用は犠牲にする)、合理的無関心(株式市場、投資家の楽観論)の排除」を訴えている。

 FRB高官はインフレを抑え込むためには住宅価格、株価などの下落が必要だと考えている。ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁が株価下落に関し、「Happy」と発言。それを端的に語っていると思う。

 こうした状況下、NYダウは一転、9月6日には3万1048ドルと急落した。6~8月の上昇幅の69.9%を消したことになる。短期間に3233ドルの大幅下落である。世界の株式市場はパウエル発言以来、1週間に5兆ドル(約700兆円)の時価総額を失った。

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