「お友達内閣」先鋭化 安倍改造内閣党三役の惨憺たる顔ぶれ

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 安倍首相が3日、内閣改造と自民党の役員人事を行った。安倍首相は「日本を取り戻す戦いの第2章」と大仰な言い回しを繰り返したが、一体、何のための改造なのか。閣僚や党三役の顔ぶれを眺めると、あらためてそれを問いたくなる。

 まず、留任大臣の多さだ。官房長官、財務、外務、文科、国交、経済再生と主要閣僚が軒並み続投。経済や外交がメタメタなのに、麻生太郎財務相(73)や甘利明経済再生相(65)ら無能な経済閣僚や外交オンチの岸田文雄外務相(57)をなぜ交代させないのか。

 アベノミクスのメッキが剥がれたうえ、4月の消費税増税で経済指標はボロボロ。景気後退がハッキリしてきた。2日に発表された8月の国内新車販売台数は、前年同月比9.1%減という大幅マイナスだった。こうした経済悪化の兆候はもうずっと前から出ていたのに、「緩やかな景気回復が進む」と能天気に言い続けてきたのが甘利経済再生相だ。麻生財務相は麻生財務相で、来年10月からの消費税10%を「予定通り」と繰り返し、財務官僚の代弁者をやっている。この2人が留任では、この国の景気が上向くことはない。

「アベノミクスの取り巻きの内閣参与・本田悦朗静岡県立大教授や、指南役とされた山本幸三衆院議員までもが、<消費税増税10%は17年4月まで延ばした方がいい>と言い始めました。彼らが変心せざるを得ないほど、経済状況は悪い。アベノミクスの本質が問われている大事な時期に、いままでと同じメンバーを選ぶとは、何のための改造なのですか。無策としか言いようがありません」(経済評論家・斎藤満氏)

■お飾りと安倍シンパがズラリ

 岸田外務相も最悪だ。安倍首相の“圧力外交”のせいで冷え込んだ中韓との関係を修復する力量もなく、漫然と外相のイスに座っている。外務省は早々と安倍首相に岸田外務相留任を求めたとされるが、「何でも言いなりで使い勝手がいいから」(外務省関係者)というのが理由だ。揺れるウクライナ情勢など、米露のはざまでますますタフな外交交渉が求められるのに、お飾りみたいな大臣ではどうしようもない。

 その一方で、新任閣僚や新任党幹部には、お友達がズラリだ。それも、政調会長の稲田朋美氏(55)を筆頭に、戦後レジーム修正主義のウルトラ右翼を中枢に起用し、これまで以上にその路線を突き進む。

 安倍首相ベッタリの高市早苗氏(53)は「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」の主要メンバーとして毎年8月15日に靖国で拝んでいる。そのうえ、政府がすでに見直さないと決めている河野談話について「来年(戦後70年)、安倍晋三首相が何らかの談話を出す。その内容に大いに期待している」と修正を求めるような発言をテレビでした。

 拉致担当に起用される山谷えり子氏(63)は最近、安倍首相の母親・洋子さんと一緒にモンゴルへ行き、安倍家の覚えがめでたい。稲田氏や高市氏と同じく靖国参拝を是とし、尖閣や竹島問題に取り組む領土議連の会長を務めるタカ派だ。

 英エコノミスト誌は<右派が入閣すれば、近隣諸国との関係が悪化する>と警告したが、その懸念がズバリ的中という陣容なのである。

「安倍首相は自分に忠実な人間ばかりを集めた。政調会長だった高市氏を閣僚にし、大臣だった稲田氏を政調会長にすることで2人を残したわけですが、彼女らに加え、山谷氏は自民党の中でも群を抜く極右ですよ。中韓をますます挑発することになるのは間違いないし、彼女たちは安倍首相を喜ばせるためなら、何でもするでしょう」(政治評論家・森田実氏)

 松島みどり氏(58)と有村治子氏(43)にしても、安倍シンパの“操り人形”だ。女性の積極活用の数合わせで起用された。小泉内閣と同数の「女性大臣5人」を華々しくPRしたいだけである。

「8年前の第1次安倍内閣であれだけ批判されたにもかかわらず、今回はさらに『お友達内閣』が先鋭化しました。女性の登用にしても、優秀な人材がいるわけでもなく、結局、“好き嫌い”で選んだ印象です。安倍首相のやりたい放題がさらに加速しそうです」(政治ジャーナリスト・山田厚俊氏)

 お友達といえば、第1次内閣で官房長官だった塩崎恭久氏(63)も再入閣する。これまで党の政調会長代理として政策面で首相を支えてきた“ご褒美”らしいが、前回、官僚と敵対するなど官邸崩壊を招いたA級戦犯を再び起用するとは…。

 安倍首相も懲りない男である。

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