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高橋乗宣
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高橋乗宣エコノミスト

1940年広島生まれ。崇徳学園高から東京教育大(現・筑波大)に進学。1970年、同大大学院博士課程を修了。大学講師を経て、73年に三菱総合研究所に入社。主席研究員、参与、研究理事など景気予測チームの主査を長く務める。バブル崩壊後の長期デフレを的確に言い当てるなど、景気予測の実績は多数。三菱総研顧問となった2000年より明海大学大学院教授。01年から崇徳学園理事長。05年から10年まで相愛大学学長を務めた。

円安歓迎しながら「地方創生」掲げる矛盾

 膠着状態にあった為替相場が再び活発になっているようだ。FOMCの結果を受け、米国の金融緩和が解除されるとの観測が広がったことに加え、米経済が予想外に順調なこともあり、先週末は一気に1ドル=109円台まで円安が進行。世界の資金が米国に流れ込む姿になっている。

 異次元の金融緩和はアベノミクスの第1の矢だ。それによってもたらされる円安を安倍政権は歓迎していた。円安になれば、輸出で稼ぐ大手企業の株価が上がり、内閣支持率の数字も良くなる。経済界も、円安基調に異論はなかったようだ。

 一方で最近の安倍首相は「地方創生」を看板に掲げ、「アベノミクスの成果を地方にも行き渡らせる」と意気込んでいる。最大の政敵といわれる石破氏を地方創生の担当大臣に起用。本腰を入れて取り組むポーズを見せている。

 だが、地方経済にとって最もこたえるのが円安だ。地方の中小・零細企業は原材料を輸入に頼っている。食品加工の現場でも、かなりの部分を輸入食材に依存しているし、ガソリン代、電気代の高騰はボディーブローのように経営を悪化させるだろう。円安が進めば進むほど、地方経済はヘタってしまう。すでに四苦八苦でのたうち回っているところは、耐えられなくなるだろう。

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