高橋乗宣
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高橋乗宣エコノミスト

1940年広島生まれ。崇徳学園高から東京教育大(現・筑波大)に進学。1970年、同大大学院博士課程を修了。大学講師を経て、73年に三菱総合研究所に入社。主席研究員、参与、研究理事など景気予測チームの主査を長く務める。バブル崩壊後の長期デフレを的確に言い当てるなど、景気予測の実績は多数。三菱総研顧問となった2000年より明海大学大学院教授。01年から崇徳学園理事長。05年から10年まで相愛大学学長を務めた。

中古市場を整備すれば空き家は減るのか

公開日: 更新日:

「読売、日経、産経」と「朝日、毎日、東京」――安倍政権に対する賛否で在京6紙を分類すると、こんな姿になるようだ。前者は「イエス」で後者は「ノー」。当然、情報は前者の方が得やすいのだろう。実際、政権の次の一手を先んじて報じたりしている。

 そこで気になったのが、〈空き家の抑制へ中古住宅の市場整備を〉との見出しが付けられた20日付日経朝刊の社説である。

 先日、総務省の調査で、全国の空き家の割合が過去最高に膨らんだことが明らかになった。その数、820万戸。5年前に比べて63万戸も増えたそうだ。理由はハッキリしている。人口が減っているのに住宅の新設は続いているからだ。

 そこで日経は、既存住宅の活用を提案した。空き家になってしまう中古住宅の物件情報を充実させ、消費者が買いやすい環境を整えるべきとの訴えである。新しい家を建てるのではなく、古い家をリフォームして住むようにすれば、空き家が増えることもない。そのために政府は、中古住宅の市場整備を進めよ。そんな主張だ。

 安倍政権と日経の関係を考えれば、中古重視の方針は既定路線なのかもしれない。実際、政策に反映される可能性も高そうだが、それで本当に空き家が減るだろうか。やはり消費者のニーズは中古よりも新築にある。なにしろ装備が全然違うのだ。

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