高橋乗宣
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高橋乗宣エコノミスト

1940年広島生まれ。崇徳学園高から東京教育大(現・筑波大)に進学。1970年、同大大学院博士課程を修了。大学講師を経て、73年に三菱総合研究所に入社。主席研究員、参与、研究理事など景気予測チームの主査を長く務める。バブル崩壊後の長期デフレを的確に言い当てるなど、景気予測の実績は多数。三菱総研顧問となった2000年より明海大学大学院教授。01年から崇徳学園理事長。05年から10年まで相愛大学学長を務めた。

異次元緩和の次元を超えた誤り

公開日: 更新日:

 日銀の黒田総裁は、追加緩和の理由のひとつに「原油価格の急落」を挙げたそうだ。ガソリン高騰に難儀してきた一般家庭や、中小企業の経営者にすれば、やっと値が下がって「ホッと一息」のはず。それなのに、物価上昇に固執する黒田総裁は原油急落を「悪い芽」として摘み取ろうとする。その感覚は国民の生活実感とはあまりにズレている。

 異次元緩和をもう一段、次元を上げれば、さらなる円安を招く。その弊害は地域の中小企業ほど大きい。政権が掲げた「地方創生」の金看板にも泥を塗ることになる。パンや豆腐や卵といった日用食品も値上がりするので、一般国民の生活も大変だ。なのになぜ黒田総裁は「2%の物価上昇」にこだわるのか。

 金融緩和は実体経済を動かす潤滑油になることが大前提だ。日本経済が今、資金需給が逼迫し、企業の旺盛な投資意欲に金融機関が応えきれない現状なら、なるほど異次元緩和の超低金利策にも意義はある。

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