井上久男
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井上久男ジャーナリスト

1964年生まれ。九州大卒業後、大手電機メーカーを経て92年に朝日新聞社入社。支局勤務を経て95年から経済部記者としてトヨタ自動車や日産自動車、パナソニックなどを担当。04年朝日新聞を退社しフリーに。文藝春秋、東洋経済新報社、ダイヤモンド社など数多く媒体で記事を執筆している。

<第6回>新聞協会賞辞退の謙虚さが必要ではないか

公開日: 更新日:

 朝日新聞の社内報「エー・ダッシュ」秋号(10月16日発行)では誇らしげに「3年連続新聞協会賞」の見出しが躍る。

「徳洲会から猪瀬直樹前東京都知事への5000万円提供を巡る一連のスクープ」によって9月3日、日本新聞協会賞(ニュース部門)を獲得したことを紹介する記事で、担当記者らのコメント付きだ。

 社内報では、「調査報道によって明らかにした」と説明しているが、私の印象は違う。「調査報道」とはそのままだと埋もれてしまう権力の不正や犯罪を、記者が自分の足と頭を使って掘り起こして暴いていくことだが、「猪瀬5000万円報道」は、東京地検特捜部の捜査で得られた情報をいち早く抜いた記事で、要は検察に食い込んでの「もらいネタ」である。現に受賞の代表者も検察を担当する社会部次長(司法キャップ)となっている。

 かつて朝日の司法記者らは、大阪地検特捜部の「リークネタ」に乗りかかって厚生労働省局長だった村木厚子氏(現同省事務次官)の「冤罪事件」に加担したかと思えば、手のひらを返したように、同特捜部の証拠改ざん事件を「スクープ」して、新聞協会賞を得ている。絵に描いたような「マッチポンプ」だ。

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