金子勝
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金子勝立教大学大学院特任教授

1952年6月、東京都生まれ。東京大学経済学部卒業、東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。法政大学経済学部教授、慶應義塾大学経済学部教授などを経て現職。慶応義塾大学名誉教授。文化放送「大竹まことゴールデンラジオ」などにレギュラー出演中。近著「平成経済 衰退の本質」など著書多数。新聞、雑誌、ネットメディアにも多数寄稿している。

金融資本主義の醜い本質「K字型回復」で持続可能性を失う

公開日: 更新日:

 コロナ不況の下、世界で未曽有の財政赤字と金融緩和が続いている。2020年の米国の成長率は前年比3・5%減。リーマン・ショック以来のマイナス成長で、74年ぶりの落ち込み幅となった。その一方で、米株式市場は3万ドル超えのバブル状態だ。

 こうした現象は「K字型回復」と呼ばれ、経済の急速な二極化を引き起こしている。株価や不動産価格は上昇するものの、実体経済の悪化に歯止めがかからない。20年の米国は個人消費が前年比3・9%減、企業の設備投資は4・0%減、輸出に至っては15%減。雇用情勢は悪化しているし、賃金が上がらない。

 中央銀行が国債を買って財政ファイナンスするやり方は、コロナ不況で実体経済が悪化する中では過剰流動性をもたらし、ダブついたマネーは資産に流れ込む。金持ちは働かなくても、資産価格が上昇するからますます儲かる。かたや労働者、中でもエッセンシャルワーカーは感染リスクにさらされながら雇用不安と賃金下落に直面している。いまや先進国の景気対策は究極の格差社会を推し進めている。80年代以降の金融資本主義の醜い本質が露呈してきているのだ。

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