著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

「戦陣訓」をめぐる東條英樹、石原莞爾の対立

公開日: 更新日:
初閣議を終え記念撮影に納まる第2次近衛内閣閣僚。(前列)近衛文麿首相、(2列目右から)松岡洋右外相、河田烈大蔵相、吉田善吾海相、東条英機陸相、風見章司法相、(3列目右から)村田省蔵逓信相、安井英二内務相、小林一三商工相、橋田邦彦文相、星野直樹企画院=1940年(昭和15年)7月(C)共同通信社

 石原莞爾と東條英樹の対立について、もう少し詳しくふれておきたい。この対立が昭和陸軍の帰趨を決めた側面もあるからだ。

 石原は参謀本部の作戦部長という要職を占めたにもかかわらず関東軍参謀副長に、そして舞鶴の要塞司令官、京都の第15師団長を経て、昭和16年3月には予備役に追い…

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