著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

「石原莞爾はアカだ」とでっち上げの噂をまいた東條派の陰謀

公開日: 更新日:
東條英機(右)と石原莞爾陸軍中将(C)共同通信社

 昭和陸軍が退嬰的な組織に陥っていたのは、個々の軍人が能力を発揮する「空間」ではなくなっていたためだ。昭和の初めからの国家改造運動が、結果的に2.26事件のような暴力の爆発という形での歪みを持った。その歪みは強圧的、断定的なタイプが仕切る形になり、理知的、思索的なタイプや独創性の… 

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