本気とは思えない岸田首相の「異次元の少子化対策」の怪しさ かつて安倍元首相も大言壮語

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第3回 前川喜平(元文部科学事務次官)

 1月4日の記者会見で「異次元の少子化対策に挑戦する」と大言壮語した岸田首相。しかし、その具体的な内容は不明だ。

(1)児童手当を中心とした経済支援(2)学童や病児保育を含む幼児・保育サービスの充実(3)キャリアと育児の両立支援に向けた働き方改革や育児休業──などの制度拡充が3本柱だというが、これらは子育て支援の政策分野を並べたに過ぎない。問われるべきは、具体的にどの政策を、どの程度まで、どの財源で、いつまでに実現するのかだ。

 岸田首相は小倉こども政策担当相に対し、関係省庁の局長級の検討会議を設け、3月末をめどにたたき台を取りまとめるよう指示し、「将来的な子ども予算の倍増」に向け6月に策定する「骨太方針」までに大枠を示すと言明したが、肝心の財源については何も語らない。

 これではどこまで本気なのか、かなり怪しい。わざわざ「ようやく本気になったと思ってもらえるようにする」などと言ったが、それこそが怪しい。額も期間も財源も示した「防衛費の倍増」と比べて明らかに本気度が違う。

 だいたい「将来的」とは何年先なのかもわからない。4月にはこども家庭庁が発足するが、「やってる感」を演出する以上の意味はない。必要なのは具体的な政策であって、新しい役所ではない。

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