新型コロナ5類に引き下げへ…4月から「マスク不要」で大丈夫なのか、識者の見解は?
春からマスクは不要となるのか──。岸田政権は20日、関係閣僚会議を開き、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけを「5類」に引き下げることについて協議する予定だ。この春にも、現在の「2類相当」から、季節性インフルエンザ並みの「5類」に引き下げ、それに合わせて、屋内でのマスク着用も原則不要とする方針。
政府は昨年5月「基本的対処方針」を改定し、屋外は会話をしなければ原則不要とする一方、屋内は距離が確保でき会話をほとんどしない場合を除き、着用を推奨している。
しかし、この3年間でマスク着用は定着している。しかも、足元で新型コロナ「第8波」が猛威をふるい、1日の死者数も過去最悪を更新している。はたしてマスク不要は進むのか。そもそもマスク不要は科学的なのか。医療ガバナンス研究所の上昌広理事長はこう言う。
「臨床試験では、マスク着用による感染予防の効果は、20~30%程度です。感染経路はエアロゾル感染がほとんどなので、マスクの効果は限定的なのが実態です。マスク着用は、高齢者のコミュニケーションを阻害するというデメリットもあります。感染予防を考えたら、マスク着用よりも、換気を徹底する方が合理的です」