ウクライナ軍「史上最大の作戦」カウントダウン…ロシア軍の防衛ラインを突破できるのか
ウクライナ軍が反転攻勢に打って出る。同軍のザルジニー総司令官は27日、通信アプリ「テレグラム」に「われわれのものを取り戻す時が来た」とのメッセージと共に、戦場に向かうウクライナ軍の動画を投稿。軍のトップが大規模な反転攻勢の開始を表明したのは初めてとみられる。
ウクライナのダニロフ国家安全保障国防会議書記も27日放送の英BBCへのインタビューで、反転攻勢について「あす、あさって、または1週間以内にも起こり得る」と明言。近いうちに反攻開始に踏み出す可能性があるが、問題はロシア軍の防御を突破できるかどうかだ。
カギを握るのが、ロシア軍がウクライナ東部から南部まで約1000キロにわたって築いた塹壕の攻略。
軍事ジャーナリストの世良光弘氏がこう解説する。
「ロシア軍はウクライナ軍の戦車の前進を阻むために、防衛ラインを二重、三重に構築しています。対戦車用に深さ約2.5メートルの溝を掘り、その溝を戦車が越えてきても破壊できるように対戦車用地雷を敷設。さらに『竜の歯』と呼ばれる、四角錐の形をした鉄筋コンクリート製の障害物などをいくつも並べています。ウクライナ、ロシア両軍とも互いに制空優位な状況ではないため、ウクライナ軍は大々的に地上戦を展開する他ない。防衛ラインの攻略に向けてさまざまな作戦プランを練っているでしょう」