「ほんと、ちょろい」裏アカが暴いた彼の本性。優しい言葉は全部ウソだった…SNS二重人格男の恐怖

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コクハク

32歳・会社員。毎日のLINEにあふれる優しさ

「優しそうで誠実な人がいいな」――そんな言葉を繰り返していた友人のマキが、「まさに理想通りの人に出会った」と目を輝かせていたのが、昨年の秋だった。今回は理想の男が突如、豹変したエピソードをお送りする。

 知人の紹介で知り合ったという、32歳の会社員・コウジさん。スポーツ好きで犬を飼っていて、連絡もマメ。何より、やりとりの端々に思いやりを感じる人だったらしい。

「今日もお疲れさま。ちゃんと休めてる?」「体調大丈夫? 無理しないでね」

 そういった気遣いの言葉が、毎日のLINEに添えられていたという。

 マキはというと、恋愛になるとやや慎重派。相手を信頼できるかどうか、じっくり見てから距離を縮めていくタイプだ。

 だからこそ、コウジさんの優しさに触れて、少しずつ心を開いていく自分に驚いていたらしい。

「LINEのやりとりだけで、なんか安心できる人って初めてかも」

 そう言っていたマキが、付き合う決意をしたのは出会ってから2カ月後。デートも数回重ね、会話も弾み、食の好みも近くて、順調そのものだった。

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見覚えのある写真に違和感

 でも、その“安心”は突然崩れた。

 ある日、マキが何気なくX(旧Twitter)を見ていると、共通の趣味でフォローしていたアカウントが、妙に見覚えのある写真を投稿していることに気づいた。

 よく見ると、それはコウジさんの飼っている犬だった。

「え、これ…コウジの犬じゃない?」

 アカウント名は、英語+数字の羅列。プロフィールには何も書かれておらず、アイコンも風景写真で、素性はわからない。

冷めた言葉の羅列に戦慄

 でも、投稿を遡っていくと、明らかに彼と一致する内容が並んでいた。

 そこに綴られていたのは、驚くほど冷めた言葉たちだった。

「最近知り合った女、ちょっと返信遅いだけで機嫌悪くなる。めんど」

「女の”疲れてる”アピ、何が目的? こっちの方が疲れてるわ」

「可愛いって言えば喜ぶのほんとちょろい。すぐヤれるかも」

 最初は信じたくなかったマキも、文章の癖やタイミング、そして投稿された写真の背景から、間違いなく彼の裏垢だと確信した。

「ショックっていうか、もう気持ち悪くなった」

 そう言って彼とのLINE履歴を見返すと、あれだけ優しかった言葉が、すべて“計算”のように思えてきた。

「こんな言葉で、私は安心させられてたんだなって思ったら、一気に鳥肌立った」

まさかの逆ギレ

 翌日、マキは彼に「このアカウント、あなたですよね?」と問いただした。

 すると、コウジは一瞬で態度を変えた。

「SNSなんて遊びだし。本気にするなよ」

「なんでそんなことで怒るわけ? 裏垢くらい誰でもやってるだろ」

 マキは黙ってそのままブロックし、二度と連絡を取らなかった。

「人って、見たい顔しか見えてなかったりするじゃん? あのときの私は、優しくされたい自分に都合のいい面しか見てなかったんだと思う」

 そう語るマキの表情は少し悔しそうで、でもどこか吹っ切れてもいた。

性格はLINEより、ポストに出る

 それ以来、マキは相手のSNSを見る癖がついた。

「性格はLINEより、ポストに出る」

 冗談交じりに言うけれど、それは本心なんだと思う。

 あのとき見た“優しさ”は、たぶんウソじゃなかった。

 けれど、その優しさが“武器”だった時点で、もう彼はただの「優しい人」ではなかった。

 SNSは素が出る場所。だからこそ、言葉のギャップには敏感でいたい。

裏垢が暴いた彼の本性

 実はその裏垢には、過去に付き合っていた女性のことも「元カノのメンヘラ具合、マジで社会不適合」とまで書き込まれていた。

 彼が話していた“辛かった恋愛”のエピソードも、すべて自分の都合のいいように語っていただけなのかもしれない――そう思った瞬間、これ以上は無理だとマキは悟った。

 いずれ自分も、裏垢でネタにされる対象になるのだろう。そう思ったら、あんなに優しかったLINEの文面も、すべて演技に見えてきた。

 SNSが暴いたのは、彼の“本音”なんかじゃない。あれは、誰にも見せないはずだった“本性”だったのだ。

(おがわん/ライター)

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