ようやく退任の広陵・中井監督は氷山の一角…首筋冷たい日本全国“時代遅れ”強豪校の面々

公開日: 更新日:

「どうせ、中井さんの傀儡じゃないの?」

 球界ではこんな声が少なくない。

 野球部員による複数の部内暴力が発覚した広陵高校(広島)は昨21日、中井哲之監督(63)、中井惇一部長(30)が同日付で交代すると発表。新監督にはOBでコーチの松本健吾氏(34)が就任する。

「松本コーチは中井監督の教え子。学校の理事、副校長職は続投する恩師の顔色をうかがいながらの指導にならざるを得ない。広陵では、部内暴力を受けた部員の保護者がSNSで告発したことを契機に、過去の被害者らも次々に告発した。中井監督が1990年に就任して以降、こうした部内暴力が常態化していた可能性は高い。本気で野球部を解体、刷新するというなら、中井監督の息がかかっていない広陵OB以外の人材から後任監督を選ぶべきです」(地元球界関係者)

 広陵野球部のような体制や指導手法はもはや、時代遅れと言わざるを得ない。

「今夏、甲子園に出場した広陵の野球部員は、自身の携帯電話を寮に置いて大阪の宿舎に向かった。野球に専念するためといえば聞こえはいいが、外部との通信を遮断され、過剰なストレスを抱えるような状況だった。今年1月、2年生部員から暴力を受けた1年生部員は、禁止されていたカップ麺を食べたことが発端になったが、野球部が一方的に禁止事項を設けても、部員が禁止の理由に納得していなければ、どうしたって違反は起きる。物事の善しあしの本質を理解しないまま白か黒かの二択だけで選択を強いる手法では、想像力、思考力は磨かれないばかりか、不満が鬱積する。これを解消するために、下級生や同級生への暴力に発展するケースが少なくないのです」(アマ球界に詳しいスポーツライター)

 今回の広陵の騒動は氷山の一角に過ぎない、とみる向きがある。全国には、広陵と似た環境にある強豪校が少なくないからだ。

 広陵の部内暴力は野球部寮で起きた。学校が公表した加害者は「2年生部員4人」としているが、被害者の保護者は「当初の学校側からの報告では、関わったのは9人。本当は11人です」とし、「虚偽報告」と指摘した。

 広陵野球部の寮は学校の敷地内にある。つまり、部内暴力は外部との接触が遮断された“密室”で行われたことになる。そうした環境が、事実の隠蔽、矮小化の温床になっているのだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    松井秀喜氏タジタジ、岡本和真も困惑…長嶋茂雄さん追悼試合のウラで巨人重鎮OBが“異例の要請”

  2. 2

    横浜・村田監督が3年前のパワハラ騒動を語る「選手が『気にしないで行きましょう』と…」

  3. 3

    巨人・田中将大と“魔改造コーチ”の間に微妙な空気…甘言ささやく桑田二軍監督へ乗り換えていた

  4. 4

    打者にとって藤浪晋太郎ほど嫌な投手はいない。本人はもちろん、ベンチがそう割り切れるか

  5. 5

    さらなる地獄だったあの日々、痛みを訴えた脇の下のビー玉サイズのシコリをギュッと握りつぶされて…

  1. 6

    【広陵OB】今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  2. 7

    日本ハム中田翔「暴力事件」一部始終とその深層 後輩投手の顔面にこうして拳を振り上げた

  3. 8

    最速158キロ健大高崎・石垣元気を独占直撃!「最も関心があるプロ球団はどこですか?」

  4. 9

    広陵・中井監督が語っていた「部員は全員家族」…今となっては“ブーメラン”な指導方針と哲学の数々

  5. 10

    DeNA藤浪晋太郎がマウンド外で大炎上!中日関係者が激怒した“意固地”は筋金入り

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    参政党・神谷宗幣代表の「質問主意書」がヤバすぎる! トンデモ陰謀論どっぷり7項目に政府も困惑?

  2. 2

    7代目になってもカネのうまみがない山口組

  3. 3

    福山雅治のフジ「不適切会合」出席が発覚! “男性有力出演者”疑惑浮上もスルーされ続けていたワケ

  4. 4

    松井秀喜氏タジタジ、岡本和真も困惑…長嶋茂雄さん追悼試合のウラで巨人重鎮OBが“異例の要請”

  5. 5

    文春が報じた中居正広「性暴力」の全貌…守秘義務の情報がなぜこうも都合よく漏れるのか?

  1. 6

    フジテレビ「不適切会合」出席の福山雅治が連発した下ネタとそのルーツ…引退した中居正広氏とは“同根”

  2. 7

    打者にとって藤浪晋太郎ほど嫌な投手はいない。本人はもちろん、ベンチがそう割り切れるか

  3. 8

    清原果耶は“格上げ女優”の本領発揮ならず…「初恋DOGs」で浮き彫りになったミスキャスト

  4. 9

    選管議論で総裁選前倒しでも「石破おろし」ならず? 自民党内に漂い始めた“厭戦ムード”の謎解き

  5. 10

    収束不可能な「広陵事件」の大炎上には正直、苛立ちに近い感情さえ覚えます