「排泄」をしっかりコントロールするためにはトレーニングが有効
「トイレ」=「排泄」のトラブルは、心臓をはじめとした健康にとって大きなマイナスになると前回お話ししました。とりわけ、高齢者は身体機能の低下などによって排泄に不具合が生じやすくなるので、注意が必要です。排泄トラブルは大きなストレスになるうえ、不安から外出を避けるようになって運動量が減り、心臓病をはじめとしたさまざまな疾患の原因になってしまうのです。
排泄をきちんとコントロールするための方法として、前回は“排泄の環境”を整えることについて触れました。外出時などにいつ尿意や便意を催してもいいように、生活圏内の「トイレマップ」を把握しておき、計画的な排泄を意識しておくのです。
それに加え、排泄トラブル防止のトレーニングも有効だと考えます。尿や便の失禁は、加齢による尿道括約筋や肛門括約筋の筋力低下によって起こりやすくなります。ですから、やはり括約筋を鍛えるトレーニングが失禁の改善に有効なのです。
たとえば、便失禁を防ぐための「肛門括約筋トレーニング」があります。あおむけ寝、座った状態、立った状態、どの姿勢でもいいので、まず、強い力で肛門を5秒締めた後、今度は10秒緩める。これを10回繰り返します。次に、できるだけ素早く肛門を締める動作を10回行います。さらに、軽めに肛門を10秒締め、10秒緩める動作を10回繰り返すというものです。