欧州首脳が感謝し、持ち上げ、ご機嫌取り…さながら「トランプ仕様書」のアホらしさ

今度の米ウ、EU会談でわかったことは、普通じゃないトランプへの接し方がマニュアル化していることだ。引きつった笑いでジョークを言い、オベンチャラで感謝の意を伝える首脳たち。政治パフォーマンスにご満悦の大統領。先が見えないのに取り繕う危うさの先に何があるのか。
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国際社会の隅に追いやられていた感のあるウクライナ情勢に進展の兆しが見えてきた。
3年半も軍事侵攻を続けるロシアのプーチン大統領と「平和の構築者」を気取る米国のトランプ大統領が先週末、米アラスカ州で顔を合わせ、6年ぶりに首脳会談。それから3日後、ウクライナのゼレンスキー大統領や欧州主要国の首脳らが大挙してホワイトハウスを訪問し、トランプを囲んで協議を重ねた。結果、辛うじて逸脱を回避。米国はプーチンとゼレンスキーによるトップ会談の早期実施に向け、開催地の選定を急いでいるという。
戦争犯罪の疑いでICC(国際刑事裁判所)から逮捕状が出されたプーチンが行ける国はそう多くない。それで浮上しているのがハンガリーの首都ブダペストやトルコのイスタンブールなど。いずれの首脳もプーチンとの関係が悪くないからだ。そもそも、狂信的な無法者のために周りが労を取るなんて倒錯にほかならないが、エリート集団の欧州首脳らまでトランプにおべっかを使うあたり、世界の常識は完全に変わったということなのだろう。
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