著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

桂首相や山県有朋らが壮大なドラマをでっち上げて、社会主義者を追い詰めた

公開日: 更新日:
大逆事件で処刑された「紀州・新宮グループ」の大石誠之助(C)共同通信社

 大逆事件は当初は7人が検挙されたに過ぎなかったのだが、それが警察、司法当局によって大掛かりな筋立てに変わり、全国で一斉に社会主義者や無政府主義者の検挙に至った。当局は明治43(1910)年6月5日の7人検挙の時から、あえてそういう筋立ての元で反政府分子を一斉に拘束することで、思… 

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