保阪正康
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保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

孫文は苦痛で顔を歪めた…革命の最終段階を襲った肝臓がん

公開日: 更新日:
孫文の南京移柩祭参列の打ち合わせのため信州から東京に戻った政友会の犬養毅氏(1929=昭和4年5月10日、新宿駅=日本電報通信社撮影)

 孫文が体の不調を訴えたのは、日本から戻ってまもなくのころである。共に神戸から上海に戻った山田純三郎は、孫文がわき腹に手を当てて、時に苦痛の表情を見せることに驚いた。

 実は孫文は上海から天津に向かい、意外な人物に会っている。奉天派の張作霖である。この会見は、張作霖の軍事顧…

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