著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

小平義雄は食糧難を利用して殺人を重ねた

公開日: 更新日:
10件の連続強姦殺人事件の初公判。編み笠をかぶって被告席に着いた小平義雄(1947=昭和22=年3月3日)/(C)共同通信社

 戦後社会の犯罪は、むろん特徴を持っている。ひとつは、価値観の逆転に翻弄された青少年の大胆なケースである。のちに紹介するが、アプレ犯罪などとも評された。アプレというのはフランス語の「戦後」を意味するアプレゲールの略である。もうひとつが、今紹介している食糧不足を原因とする犯罪である…

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