著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

シリーズ「昭和の亡霊・7つの戦時用語」(56)軍事権力者の暴力、思い込み、愚かさ

公開日: 更新日:
海軍将校らのテロにより犬養毅首相が殺害された五・一五事件(トラックの荷台に乗り警備に出動する憲兵隊員たち1932=昭和7=年5月15日、日本電報通信社撮影)

 戦時用語の「国民は無色である」を詳細に分析していくと、軍事の権力者は、国民は無知な存在だと思い込むことで、自分たちの優位性を確保しようとしていたに過ぎないと思っていたことがわかる。情報も知識も与えずに自分たちの意のままに振り回そうとした愚かさにも愕然とさせられるのである。そんな… 

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