1205試合に出場して21盗塁 これ、密かな自慢です

公開日: 更新日:

「土壇場でよう打つよ、クセ者は。ほかの打者が打てない時に限って打つんだよ、ヤツは」

 現役時代、長嶋監督には何度かお褒めの言葉を頂戴しました。

 試合を決定づけるホームランを放ったとき、代打でサヨナラ安打を打ったとき。長嶋さんが喜ぶ顔を見るのは最高でしたが、それ以上にうれしかったのが、こんな言葉をいただいたときです。

「アイツにはサムシング(なにか)がある」

 併殺崩しのスライディングや相手守備陣のスキをつく走塁……。マスコミに大きく取り上げられることのないそうした地味なプレーこそ、「クセ者」の本領発揮だと思ってやってきました。

 現役14年の一軍通算成績は打率.262、66本塁打、378打点。誇れるような数字はありませんが、密かに胸を張りたいのが盗塁数です。

 1205試合に出場して21盗塁。いや、少ないのは分かっています。鈍足ですから、これはしょうがない。でも、ゲームの流れを変えたり、勝利に直結する盗塁が少なくなかったと自負しているのです。狙って走ったのはほとんどが三塁へのスチール。投手のクセを盗み、捕手の配球を読む。足は遅くとも、きちんとした準備とスタートを切る勇気さえあれば、バッテリーの警戒心が薄れる三盗は、成功する確率がグンと高まります。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  2. 2

    高市政権の物価高対策はもう“手遅れ”…日銀「12月利上げ」でも円安・インフレ抑制は望み薄

  3. 3

    元日本代表主将DF吉田麻也に来季J1復帰の長崎移籍説!出場機会確保で2026年W杯参戦の青写真

  4. 4

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  5. 5

    京浜急行電鉄×京成電鉄 空港と都心を結ぶ鉄道会社を比較

  1. 6

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  2. 7

    【時の過ぎゆくままに】がレコ大歌唱賞に選ばれなかった沢田研二の心境

  3. 8

    「おまえもついて来い」星野監督は左手首骨折の俺を日本シリーズに同行させてくれた

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾