また広島戦で大仕事 中日・藤井に他球団スカウトが熱視線

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 12日、最下位の中日が引き分け目前の延長十二回2死走者なしから、劇的なサヨナラ本塁打で勝利。ヒーローは10年目の藤井淳志(34)である。

 2ボール後の内角寄りのスライダーを振り抜くと、打球はライトスタンドに吸い込まれた。

「なんとかしたかった」

 両手を大きく広げてダイヤモンドを一周した藤井が満面に笑みを浮かべてそう話すと、谷繁監督も「まさか本塁打とは……ね。面白いことをやってくれた」と本人以上に興奮気味だった。

 この藤井、なぜか広島戦で大仕事をやってのける。五回までに5点をリードされた5月20日の試合でも七回に逆転の3ラン。昨年も8月にサヨナラ本塁打を放っている。いずれも地元豊橋での一発に、この日のお立ち台では、「豊橋以外でも打ちます!!」と絶叫していたが、その野球センスは誰もが認めるところ。

 今春のキャンプ中、藤井の打撃練習を見ながらある球団の編成担当がこう言っていた。

「もったいないよね。何度かレギュラーに定着しかけながら、落合監督時代からなぜか首脳陣に信用されていない印象。去年も開幕二軍だった。守備や走塁でポカが多いというのはあるけど、走攻守ともに一軍の平均以上の力がある。他球団の評価は高いんだよ。順調にいけば、今年中にFA権を取るんでしょ? 年俸3000万円で人的、金銭の補償がいらないCランクの選手。権利を行使したら人気になるよ」

 途中出場でのサヨナラアーチに藤井は、「スタメンで出るのが一番ですけど」と言っていた。オフには争奪戦の主役になるか。

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